理事長あいさつ

世界音楽子供財団 設立にあたって

現代の子どもを取り巻く環境の変化は、めまぐるしいものがあります。
特に、子どもが日常で目にするもの―
メディアからの受け取るものについて焦点をあてますと、
テレビやラジオから情報を受け取り、家族共通の話題を形成していた時代は
とうの昔、今ではパソコンやスマートフォンなどによって
個々の興味で情報を取得することが当たり前になっています。
受動的なメディアから、能動的なメディアが主流になってきたことで、
情報の正しい取捨選択をしなければならない、という
新たな課題も生まれています。

たった今この瞬間、その情報発信者となる大人が、
子どもにとって良質な音楽作品を正しく提供できているでしょうか?
ネット・リテラシーという言葉が叫ばれて久しいですが、
正しく子どもたちに対して、情報の選択方法を伝えることが
できているでしょうか?
子どもは、意図せず有害な情報に触れてしまうことで、
一生に渡る心の傷を負うことさえあります。
それほど子ども時代に目にする・耳にするものは強烈なものなのです。

人間は誰しもが子どもからスタートし、成長していくという課程を経ます。
それは、成長の中で、次の世代に引き継いでいくという
使命を背負っているとも言えます。
われわれ大人は、人類の歴史からみれば、ほんのちょっとだけ先輩である
だけではありますが、今、目の前にいる子どもたちのために、そして
これからの未来生まれてくる子どもたちのために、
「子どものための音楽」を正しく伝え、作品がより活発に利用されるよう、
良識ある作家・コンテンツ制作者・コンテンツホルダーの協力を得て、
子どもの為の音楽環境・コンテンツ環境を整えるための一石を投じ
音楽を通じた新たな子ども支援の実現のために、尽力していく所存です。

一般財団法人  世界音楽子供財団
理事長 河合達人